価値の行方

松茸の初競りで一本120gが95万円だそうです。
いったいお客様はその松茸にいくらの値段を払って食べるのでしょうか。
テレビのニュースになるほどなので、お店(何やら高級旅館でした)の広告効果や認知度アップにはつながるかもしれませんが、それにしても度を越しているような感じがします。
希少価値とはいえ美味しさが95万円分なわけではないし、なにやら目に見えない実体のないものについてる価値というのは人間が生み出した不思議な概念です。
時価総額や株価、ブランド品から仮想通貨まで、ビジネスの世界ではいかに原材料や人件費以外で付加価値をつけるかの競争が行われています。
エルメスがお弁当を作ったらひとつ100万円でも売れるかもしれません。
価値を紐解いてみると希少性の他にも信頼や期待値も含まれています。
よって価値を高めていくためには時間の経過も大きな要素です。
松茸やエルメスのように名前の認知力も大事ですね。
時間がつくる価値というのは西欧文化的な文脈で語られるのであって、歴史の浅いアメリカでは結果がすべてなのでそのような文脈で価値をはからなかったりします。
個人的には西欧的な方が好みです。
つまるところ全部は人間だけが共有している情報のような気もします。
何もないところにあの手この手で価値を見出して、利益を得ようとする賢い生きものです。
でもそんなあざとさが人類を進化させてきたわけでもあるし、こうして豊かさの恩恵を受けているので一概に価値を生み出すことが悪いことではありません。
それにしても松茸一本に95万円は理解ができません。

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