下手くそでもいい

一般的には技術の高さやテクニックの上手いことがよしとされている。
スポーツのように数字で勝敗が決まり、それが基準となっているものは仕方ないけれど、例えば歌がとびっきり上手くなくても活躍してるアーティストはたくさんいる。
数値化できるものは共通認識としてわかりやすいので表面的な評価は受けやすい。
これは個人的な持論だけど、みんな等しく人間である以上、数値化できるものはさして重要な要素ではなく、それ以外の要素を言語化できない状態で感じている。
その要素とは、文脈であり背景であり物語の部分だと思う。
中でも対象者のひたむきな一生懸命さには特に弱く、そこから応援が生まれていく。
宝塚歌劇の同じ公演に何度も足を運ぶ人や、好きなミュージシャンを推す活動や、子供の運動会など、応援をして成長する姿に心が動かされることは一部のサイコパスを除き多くの人が持っている感情だと思っている。
そもそも人の成長をそばで見ることは人間の本能的に幸福をもたらすらしい。
見守り、託すという行為は生物全体にとっても無意識で備わっている能力なのかもしれない。

何か新しいことを始めようとする時、多くの人は能力不足を恥じてなかなか前に進めなかったりする。
特に日本の国民性が世間体を過剰に気にする。
周りにたたかれるのは怖い、うまくいかなかったらと不安が襲う、守るものがあればなおさら躊躇してしまう。
そんなことは気にしなくていいと思う。
上手くやろうとしなくていいと思う。
下手くそでも本気で一生懸命に取り組めばきっと誰かが見てくれてると思う。
下手くそから成長していく姿に物語を感じるのだと思う。
そこに唯一無二の人間味を感じる。
こんなことを偉そうに言える立場ではないし、誰かに言ってるわけでもなくて、自分自身に言い聞かせるつもりで書いてみた。
こうして書くようになって3年も経つのにまだ上手くなった気がしない。

*何か考えてほしいテーマがあれば気軽にお声がけください。
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