自然の中を散策するとはいえだいたい人工的な遊歩道が存在している。
登山道しかり建物しかり観光のために作られたものを見ると、いつも人間の仕事ぶりに感心してしまう。
よくこんなところにこんなものを作ったなあと。
自然を侵害してまでもフロンティアを求めようとする人間の欲深さや探究心は際限がない。
それはお金儲けのためのビジネスなのか、社会にとって意義のあることなのか、はたまた偽善なのか。
その真意や境界の曖昧さについてこの頃よく考える。
何のためにそれをするのか。
いい教育を受けることも、いい人間関係を築ことも、お金があることも、究極は何か崇高な目的を成すための手段に過ぎないと言える。
ただ目的を持ってその先を見据えている人なんてごく僅かだと思う。
目的なんてなくても日々が幸せならそれにこしたことはない。
一般認識では家族のあたたかさや仕事の成功が幸福だと言われるけれど、結局は人それぞれでいいから相手にとやかく言う必要がなかったりする。
アイドルを追っかけてもいいし、ギャンブルをしてもいいし、タバコをたくさん吸ってもいい。
自分の人生は自分で好きに決めていい。
それでもやっぱり人間にとって社会にとって環境にとって意義のあることがしたいと思うのは、こんな時代の渦中にいるからかもしれないけれど、いろんなことを知っていく上でもう以前のよなには戻れない気がする。
あたたかい家族を築くことも、仕事で成功することも、ぐうたらすることも何となく違う。
まだまだ言語化しずらい範疇ではあるけれど、何か使命感のようなものをもって、そのためにつながっていくような行動がしていけたらなんて思う。
むずかしいのは百も承知だけど、結果がどうであれ、それに取り組むことが自分にとっての幸せで楽しいこと。
それは未開の場所に道をあくなき探究心で遊歩道をつくるように。