相次ぐ閉店

SNSを見てたら自分が少しでも検索したり興味を持ったトピックに対してこれ見よがしに表示させてくるのは周知のとおり。

その中のひとつが飲食店の相次ぐ閉店のお知らせ。

たしかにコロナ禍を経て人々の行動様式はがらりと変わり、物価高も後押しして、外食する人、もしくは食事にお金をかけることが顕著に減ったように肌で感じている。

飲食店の飽和状態、時代の移り変わり、自然淘汰、素人が見てもその原因が安易に想像できるくらい必然といえば必然なのだろうけど、目の前に流れてくる情報を浴びていると一際気になるトピックなのでいろいろと考えさせられる。

自身でもひととおり開業から閉店までを経験してみて、また社会全体やこれからの未来を俯瞰して眺めてみても、飲食店を長く続けることの難易度はどの角度から見てもむずかしいように思う。

同時に新しくオープンするお店もあちらこちらで耳にはするけれど、いつまでもつのだろうかという余計なお世話と冷笑さをおぼえてしまう自分がなんとなく偉そうで気に入らない。

でもそれくらい厳しい世界であることは

現代の飲食店の生き残り方はいかにSNSでお店の魅力を発信するか、に大きく依存しているような気がする。

きれいな写真、惹きつける言葉選び、統一された世界観、上手なコミュニケーション能力、続きが気になるような動画作り、これらは料理を美味しく作るのとはまた違う能力だ。

そして発信はまず来店を促すための広告であってまだ入り口に過ぎない。

でも実体として、どれだけSNSで上手に発信して人気であっても実際の来店と結びつくとは限らない。

SNSで反応する人は来店をせずに意外とそこで満足していることが多いと同業者はみんな頷くだろう。

とどのつまり小手先のテクニックではどちらにしてもむずかしいように思えるけど、たしかなのは作り手の人柄と、料理の技術よりも向き合う真摯さを消費者も無意識ながら感じ取っていると経験上思わずにはいられない。

お店を始めたい人にこれからの時代に飲食店はむずかしいとは言わない。

周りには迷惑をかけないくらいに、始めてみて、いろいろやってみて、むしろ閉店したらいい。

その一連の経験はきっと人生においてかけがえのない自分だけの物語になる。

これだけは言い切れる。

始めることや終わることよりも続けることが何よりも一番むずかしい。

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