久しぶりの店舗営業はコース料理でもなくテイクアウトでもなく、予約こそできるもののいつお客様が来るかわからないスタイルで、そんなドキドキもやってみればそんなふうにして若かりし頃に飲食の仕事をしていたことをふと思い出した。
お客様を待つ。
飲食業として、サービス業として当たり前のことのようだけど、フリーでオープンしているお店と、予約制のお店とではお客様を待つこと自体は同じだけど、その段取りや姿勢のニュアンスは少し異なる。
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お客様の立場的にはいつでも好きな時に自分の都合に合わせてお店に行ける方がいい。
行ってみて満席だったり並んだりするリスクはあるものの、大衆的な飲食店はだいたいにおいて間口が広い。
反対に飲食店側は、お席の予約ができてもどんなオーダーが入るかわからない場合も含めて、予測しながらの段取りと気持ちの準備はそわそわするし、オーダーの入り方によっては、どの順番で提供して、何を同時に作れば効率がいいかなど、ものすごく頭の回転を要求されるので、瞬発力が求められるし、いい意味でとても体力と神経を使う。
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予約制のお店の場合、お客様は前もって準備するめんどくささはあるものの、確実に席の確保ができてメニューに悩まないでいいのはストレスがないけれど、ライフスタイル的に先の予約ができない人もいるのでお客様の負荷が高い。
でも飲食店側は、あらかじめ決まった量の段取りができて提供する順番も決まっているので、食材のロスも限りなく減らせるし、すごくスムーズでやりやすい。
とはいえ、予約が入った時点から期待を超えていくためにも緊張感が生まれるので長期戦と言っていいのかもしれない。
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どちらが正解ということではなく、どのような世界観で勝負するかということに尽きるけれど、それ以上に飲食店はいつ来るかわからないお客様を待って、何が通るかわからないオーダーを待って調理をこなすことが当たり前だと思っていた若い頃に比べて、あるいはお客様は神様という言葉が昔あったように、お店側とお客様の立場は時代を経て関係性に変化があることに気づく。
対等とまではいかないけれど、その方法は自分で選べるということも含めて、お客様が横柄な態度ではなく、敬意を持って顔の見える人が作った料理をいただくという姿勢はとてもいいことだと思う。
またコロナ禍を経て人々の行動様式が大きく変わった部分もあるけれど、単発のイベントにせよ予約制のスタイルを長くやっていたので、カフェというフリーでオープンな営業スタイルが久しぶりでとても新鮮だった。
予約制できちんとお客様に向き合いたい自分もいるけれど、間口が広くわちゃわちゃしながらオーダーをするのも楽しんでいる自分がいる。

