人にしかできないこと

好きなことを仕事に、ってよく聞くけれど、
何が好きかわからない人がほとんどのような気がする。
ましてや今は情報や選択肢がたくさんあって、
余計に何を選んでいいのかわからない。
ひと昔前は、ある程度お手本となる人生の正解があって
自分もそれをなぞるような教育を受けてきた。
結局、親の反対を押しのけて料理をすることになる。
人の寿命も延びて、終身雇用もなくなって、
転職も副業も当たり前になって、
これから社会に出る若者たちは、戸惑いながらも
誰から与えられるでもなく、自分の頭で考え、
行動していかないといけない時代。
まだまだ給料や福利厚生やブランドや見栄で、
仕事を選ぶ人も多いと思うけど、
誇りや、やりがいや、社会貢献で仕事を選ぶ人の方が、
ずっとかっこいいと思う。
そしてそれをかっこいいと思える人が
もっと増えて欲しいと願う。
ただ時間を切り売りする労働ではなく、
積み上げた時間が自分の資本となるような仕事を
一つだけではなく、たくさんできるようになることは、
リスクの分散にもなるし、変化の時代に柔軟に対応できる。
好きなことは、早く見つかるのがいいとも限らないし、
動いていく中でこそ、自分に合ったものを知り、
次第に見つけてていくもの、とも言える。
でも何から始めていいかわからない人は、
まず読み書きができるようにはなった方がいいと思う。
読解力がないと、問いすら見つけられないし、
表現力がないと、相手に思いを伝えることすらできない。
この技術は時間と共に蓄積され自分の資産になるし、
人間としても味わい深くなっていく。
そしてこの味は、どんなコンピューターでも再現できない。



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