こだわりと経営の調和

ぼくはこだわりが強い。

丁寧に作る、時間がかかる、職人気質だとよく言われるし、

自分でもそう認識している。

見方を変えれば、頑固でわがままで不器用でもある。

手を抜けない、効率が悪く、大量生産ができない。

すべての人に均等に商品を届けることがむずかしい。

どうしてもそこに偏りが生まれ、自分が求める理想と、

お客様が求める期待という現実の狭間で葛藤する。

そして恐らく多くの個人でされているお店の人たちも、

きっと同じ悩みを抱えていることでしょう。

でも、そのこだわりに共感してくれるお客様が、

ファンでいてくれてることには間違いなくて、

その人たちがお店を支えているのも事実だ。

思いがあるのに、伝え方がわからなくて、

上手にできない人がたくさんいるはず。

不便の中にしかない豊かさのようなものを、

今の時代だからこそ、もっと広く認識させることが

できたらいいなと願っています。

しかし、理想ばかりも語っていられない。

いかなる商売も経営という視点は欠かせない。

うまく循環し持続的に続けていくことが、

お店にとっても、お客様にとっても大事なこと。

こだわりと経営は、よく相反する二項対立になりがちで、

トレードオフのようなゼロサムのような関係性に思える。

たくさん作ろうと思えば、手作りでは追いつかないし、

広く届けようと思えば、愛情の濃度が薄くなってしまう。

テイクアウトをやってみて、提供は一瞬だけど、

こだわるがゆえに思いのほか準備に時間がかかるし、

資材の費用もバカにならないし、

収納や設備面でも問題はたくさんあるし、

取り組んだ時間と残る利益のバランスを取るのが、

とてもむずかしいということが経験を通してわかった。

お客様の需要があって、期待に応えるのはいいけど、

続けられないならやってる意味がない。

苦渋の決断をするのに多大なる時間を要してしまった。

必ずしもこだわりと経営は二項対立ではないはず。

妥協でもなく、諦めでもなく、調和する点はきっとある。

前から沸々と考えていたその総括としてのパスタ屋さん。

出来立てを食べてもらえるというこだわりと、

メニューを極力減らすことで可能になる味への集中と、

体験型エンターテイメントである食への再定義と、

テイクアウトをしてたからこそ拡散できた認知度と信頼を

うまく活かして、回転や予約制ではない使いやすさを

意識した経営の側面との調和を整えていく。

そんな挑戦をこの春から始めようとしている。

正直怖い、うまくいくかわからない、勇気がいる。

でもやってみないとわからないことが

あるということをMEEKで学べたことがとても大きい。

心の準備に時間がかかってしまった。

ついに今日宣言する、もう後戻りができない。

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