やさしすぎるのはよくない

日本はサービスが過剰だと言われている。
へりくだり過ぎ。
そんなに悪いことしてないのに、
すみません、と口癖のように言う人も多いように思う。
もちろん、やさしさの基準は曖昧だけど、
実際のデータが示しているように、日本が長時間労働で
生産性が低いという結果は、サービスの過剰と
深い関係にあるのは間違いなさそう。
無駄な労働をしてるということ。
よくも悪くも人は慣れる生きものだから、
過剰なサービスが当たり前になれば、
なかなかその恩恵に気づけなくなってしまうし、
さらなるサービスを求めてしまう。
飲食業界なんて特に顕著で、過剰なサービスが
人件費を圧迫し、利益を減らしてる現状の中、
人手不足も深刻な社会問題で、追い打ちをかけてくる。
ひっくりかえしてみれば、
おもてなし、という日本が誇る美しい文化だけれど、
こちらは配慮や気配りのニュアンスで捉えたい。
過剰なサービスとはまた違う。

人に使うやさしいという言葉も、似たような側面があって、
人間関係の中でも、相手に求めるやさしさという指標は、
だれにとっても優先順位は高いはず。
過剰なサービスと同じように、
やさしさという名の下に、相手を甘やかせてしまっては
逆にそれはもう、一周回ってやさしくないと言える。
子育てや恋愛で特に気をつけたいところ。
デリケートで繊細な概念だから、とても扱いがむずかしい。
やさしさとは配慮。
時に苦言を呈することがあってもいい。
相手の要求に全て応えることでななくて、
相手が望むことを先に察知してあげること。

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