こだわりが強いといえば聞こえはいいけど、
視点を変えれば、ただの不器用でもある。
出来立ての料理を食べて欲しいという思いだったり、
冷凍食品や既成の食品を使わなかったり、
大雑把な仕事ができなかったり。
たくさん売るためには、たくさん作らないといけない。
そのためには、たくさんの時間をかけないといけない。
1日の時間が限られてる中で、効率を考えるならば、
いい意味で手を抜かないといけなくなってくる。
人を使っても、冷凍食品を使っても、
ある程度の品質は落ちるから、こだわりと経営の
バランスには常に悩まされ続けてきた。
でもこだわりはやっぱり譲れず、
今の今までいっさいの妥協はしてこなかったつもり。
お客様もそのこだわりを理解してくれた上で、
応援してくれていたのが、実感としてわかるから、
なおさら貫き通すしかない。
少し大袈裟だけどブランドも意識していた。
ブランドとは、何をしないか。
冷凍食品を使わない、冷めた料理を出さない、
大量生産しない、汚れたお釣りを渡さない。
予約制にして、より相手を想像して作ることを試みたが、
結果的に賛否両論で、物理的に予約することが、
むずかしい人はいて、それはそれで大きな学びになった。
思った以上に慣習を変えるには、影響力が小さすぎた。
自分が思ってる信条は守れたと思っている。
ブランド作りには長期的視点も必要だ。
短期的にお金にはならないけど、
長く続けることによってしか信頼関係は築けない。
会社にいては、どうしても短期的な結果が求められる。
(組織のシステム上、仕方ない部分でもあるけど)
そういう意味では、ブランドや信頼は
個人やフリーの人にとっては有利だと思っている。
どんな商品の品質もコモディティ化してきてる今、
ブランドという視点は、誰にとっても大事になってくる。