変わっていく食事の在り方

人類は火を囲むようになったことで、

会話が生まれ、言語と神話が作られるようになりました。

その長い進化の中で、人は根源的に健康的な食事を、

他者とゆっくり分かち合いたいと思っています。

ところが最近は家族が揃って食事をする機会も

少なくなり、孤食という言葉にもあるように、

一人で簡単に食事を済ますことが増えてきています。

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されているように、

一つの特徴として、食を分かち合うこと、家庭での躾、

家族が集まる必要性が強調されてる日本でさえです。

食事の削減と家族の崩壊は相関してると言われてます。

アメリカ型の食文化は世界中に大きな影響を及ぼし、

時間の短縮、体に悪い食品、食費の削減など、

文化や社会や政治を一変させました。

大量生産、大量消費で作られる加工品は、

食品業界にとっては儲かる源泉であるのと引き換えに、

消費者にとっては危険な食品であったりします。

体に有害なものを企業側が隠蔽するために、科学者に

嘘の論文を書かせたりしている事実もあるそうです。

テクノロジーの進化で、いろんな物事にかかる時間が

短くなったものの、より忙しさの増した現代社会に

向かっているという矛盾を抱えながらも、

この動きはどんどん加速していくことでしょう。

時間がなく、味覚が鈍り、調理が出来ない人たちのために、

いつでもどこでも食べれるような形態の食事に需要が

高まり、必然的にニーズも生まれてきます。

この食の流れは、密接に環境汚染にもつながっているので、

一度立ち止まって、考える機会を作らないと、

体にも地球にも危険なことだと感じずにはいられません。

身近にできることは、食物の無駄を減らし、肉食を減らし、

地産地消を優先し、季節の果物や野菜を食べるなどの

心がけをすること。

それだけで温室効果ガスの排出削減に効果があります。

何を食べるかは思考力や精神性の基盤にもなります。

各自が健全な食生活を送ることで、地球を保全するための

役に立てるのに、人間の欲はどうしても目先の利益に

向かいがちなので、見て見ぬ振りをしてしまうのでしょう。

そのエゴの積み重なったツケが現在なのですから。

誰かと食事を分かち合える喜びや楽しみは

まだまだみんな忘れていない感情のはず。

食事をする場を大切にしたい、という想いです。

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