冬が寒くてほんとによかった。
ここ最近、気温がぐっと下がって冷蔵庫の温度よりも
低いから、扉を開けるとぬるくさえ感じてしまう。
年末は扱う食材も増えるので、冷蔵庫に入りきらない分を
安心して外に出しておけるし、仕上げに盛り付ける際の
調理したお料理の出しっぱなしもある程度許容できる。
年末が夏だったら、きっと大変なことになっている。
職業柄なのか、もともとの性質なのか、温度には敏感だ。
公園の前でお店をするようになって、季節をより身近に
体感していたので、気温が見なくてもだいたいわかる。
料理をしていると、食材の温度には細心の注意を払う。
焼いたり揚げたり、火を入れている時、想像する。
盛り付けや、お客様が実際に食べる時、想像する。
それぞれの料理に美味しい温度がある。
美味しいというのがまず抽象的な概念だけど、
科学的に証明されているものもあるし、
食べる環境によって変わるものもある。
適切な温度や美味しさを知り、お客様の口に入るまでが
料理をしてる者の、責任であり役割である。
偉そうにいい感じのことを言ってきたけど、
テイクアウト業界は、お客様の食べてるところが
見えないから、こちらの意図は必ずしも反映されない。
やっぱりそこは温度に敏感ゆえ、余計に気になってしまう。
例えば、ポタージュスープは温めなおす具合によって、
水分量が変化して濃度が変わるので、一概にベストな
状態で提供できているかといえば疑問が残る。
こちらができることは温めなおすところまでを
最大限に想像した濃度にあらかじめしている限りである。