最近よくいろんな内部事情があばかれていく。
飲食業界も御多分に洩れず、世間の明るみに出るような闇の部分はほんの一部に過ぎない。
「おせち作りに46時間半労働」
https://mainichi.jp/articles/20220805/k00/00m/040/212000c
局所的な長時間労働。
おせち以外にもクリスマスや恵方巻など、特定の日に特定のものを食べる習慣や文化は作り手にとって負担がとても大きい。
企業やチェーン店がやるのはやっぱりまずいが、小さな個人でやっているようなお店が徹夜でこなす、みたいなことはまだまだ普通にあると思う。
事実、MEEKもおせちに限って言えば例年徹夜でやっている。
そうしないと間に合わない。
食べ物は鮮度が大事なので、どうしても直前に仕上げないといけない。
あまり美談にするつもりはないけど、以前2日間徹夜した時は幻聴と幻覚が襲ってきた。
もう二度としないと心に決めた。
じゃあ数を減らせばいいかというと、季節行事やイベントなどを考慮して年間の売上が成り立っているので、需要がある時にがんばらないといけない構造になっているのが問題なのだ。
そもそもの根本的な解決をしないといけないのに、いつも一部だけが切り取られてニュースになるので建設的な議論が交わされてないように感じる。
きっと今で言うコンプライアンスに引っかかることは掘ればいくらでも出てくる。
習慣化しているおかしな体質、自覚のないハラスメント、悪意のない発言、いずれも同じ環境で長く過ごしていたら感覚は鈍化していくのが人間の習性。
自分の周りの世界が当たり前だと思うようになるので、情報を仕入れるだけだと異質なことになかなか気づけない。
行動して外の世界を見て当事者意識を持たないと前に進まない。
ネット社会によってこうした闇の部分が明るみに出ることには賛成している。
誰かが無理をして成り立っている社会はやっぱりおかしい。
すぐには解決されないだろうけど、今までうやむやにされていた問題に多くの人が気づくのはいいこと。
構造そのものの改善は自分にとっても人生の課題で、文化を変えるにはどうしても時間がかかってしまうから地道にやるしかない。
ひとつだけ言わせてもらうなら、徹夜は避けられないけどおせちは買ってほしい。