巷には新商品が溢れている。
コンビニ、スーパー、ショッピングモール、ありとあらゆるモノというモノ。
企業は何かしら新しいことをしないと消費者に振り向いてもらえないのだろう。
飽きられてしまわないか、競合に顧客を奪われないか。
よっぽど定着していない限り、同じ商品ばかりを提供し続けるのはやっぱり勇気がいる。
料理を提供している身としても、その気持ちはとてもよく理解できる。
お客様に驚きを提供して喜んでもらいたいという気持ち。
ただ規模が大きくなれば気持ちよりも売上を重視せざるを得ないだろう。
売れるような商品作り、手に取りたくなるようなデザインやメッセージ、市場に出すタイミング、マーケットの攻略法はテクノロジー技術によってだいぶ出来上がっている。
食で言うなら、新しい味。
もはや新しくもないのだろうけど、あの手この手で期間限定や数量限定という言葉を使って人間のか弱い心理を刺激してくる。
飽食の時代に、まだ未知の美味しさがあるとは思いにくい。
定番料理が定番になりえた定番の美味しさにはきっと敵わない。
下敷きにある多くの人々が認識している美味しさはもう出揃っているはず。
そうわかっていても、新しい味には興味をそそられ不思議と試してみたくなるものだ。
人間の欲と新商品のサイクルはうまくマッチングしている。
最近はそんな新商品のサイクルさえも定番化してないだろうか。
この味、この組み合わせなら間違いないだろうという企業の主張を感じずにはいられない。
抹茶、苺、チーズ、この辺のフレーバーはすでに市民権を得ている。
人気が偏っていけば、それはもう定番の仲間入り。
人の嗜好というのは、意志とは裏腹にある程度均一化されていくというのが不思議な現象だなあと思う。
そしてまた新商品は出続けていくのだろう。