白銀の世界。凍てつく空気。
白く染まった岩肌の渓谷を、深い碧の川が流れる。
自然が時間をかけてつくる造形は美しい。
空からゆっくり舞い降りる真綿のような雪。
雪がとても綺麗に映るのはあまり見たことがないからで、
実際は、滑ったり転んだり、電車が止まったり、
経済が機能しなくなって、危険なことの方が多い。
とある温泉街、静まりかえった街に、雪かきをする音や、
タイヤチェーンの道路を擦る音が所々に鳴り響く。
ここで暮らす人たちは、
あきらかに不便な生活の中に暮している。
どうして辺境の土地に住むのだろう。
娯楽施設もない日々の楽しみはいったい何なんだろう。
地方を訪れるといつもそう感じる。
度々起きる自然災害や気候変動は
地方に行くほど圧倒的に不利な気がする。
コロナウイルスで観光客も激減している。
見て見ぬふりをするわけではないけど、
問題に直面しながらも何もできない不甲斐なさを感じる。
せめて、話を聞いて共感するくらいしかできない。
その恩恵を受けれてることにもっと感謝をしないと。
華やかに見える観光地でも、
将来や内情は厳しいであろうと感じざるを得ない。
自然の摂理として、
美しさの内には怖さが孕んでるものなのか。
真っ白な雪のように。