考えることについて考える

テクノロジーの進化で世の中が、加速していくように

便利で快適なものになっていく。

スマホに始まる通信技術に自動運転、

あらゆる仕事にAIが取り入れられて、

人間がしてきた仕事は次々に代替されていく。

ベーシックインカムが普及するようになれば、

働くという概念自体が変わるのは間違いないだろう。

そうなるとみんなに自由が与えられて、

創造的な世界が広がっていくように思えるけど、

個人的にそうは思えない。

ひとつ便利なものが生まれると、ひとつ楽になるという

ことだから、ひとつ考えることをやめてしまう。

電話がない時代は、電報や手紙といった手段で、

相手に対する想像を膨らませながら、一文字一文字が

貴重なもので、伝わる深さが今とは違っていたはず。

今はいくらでも相手に文字が送れて、

世界に対して個人の意見が言えるようになり、

一文字に対するありがたみなんてまるでない。

こうしたらもっとよくなるのにとか、

どうしてこうなるのかを考えなくなっていく。

良くも悪くも、便利は人から考えることを

奪っているような気がしてならない。

しかも人は悲しいかな環境に慣れていく生きもの。

つまり便利になればなるほど、考えなくてすむので、

馬鹿になるというより、社会性が欠けたり、秩序がなく

なってしまったり、深い愛情で人を愛せなくなったり、

総体的に弱くなっていくような気がしている。

未来を作っていく人は考え続け、その恩恵を受ける人は

考えることをやめていく、ということは貧富の格差を

超えて、脳に格差が生まれてくるかもしれない。

考えるということは、人間だけが持っている

幸福をも生み出せる能力のはず。

関心を持つこと、疑問を持つこと、想像すること、

考えることをやめてはいけないと思う。

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