深く味わうために

料理はつまり食材同士の組み合わせでできている。

定番の組み合わせから、相性のいい悪いまで、

何と何を組み合わせるかから始まり、あとは

作り手の知識と経験とセンスとさじ加減で味が決まる。

クラシックな伝統を守るのも素敵な考え方だし、

イノベーティブな新しい味に挑戦するのもワクワクする。

お客様の反応も見ながら、試行錯誤を繰り返し、

自分の中で感覚的に決まる瞬間が見つかると

料理人としては、この上ない幸せだ。

絶対的に美味しい料理は存在しないと思っていて、

味覚は人それぞれ、環境や文化の影響で違いがあるのに

その料理が美味しいと思えるということは、

作り手のセンスや思想に共感した結果、とも言える。

味以外のビジュアルや雰囲気などの要素もあるけど、

類は友を呼ぶ効果は、あながち外れではない。

料理の組み合わせも、人の組み合わせも、正解はなく

何を正解とするか自分で決めればいい。

自分の基準を決めることなく、

流行ってるからとか、人気があるから、映えるから、

グルメサイトの点数が高いからといって、

美味しいお店とは限らないし、美味しかったという

感想だけでは、料理を味わい尽くせてないような気もする。

同じレシピでも作り手次第で味が変わるように、

その差は、作り手の経験や技術はもちろん、

思想も大きく関わっているような気がする。

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