だれもわるくない

人間の能力や性格は遺伝によって引き継がれるけど、

それ以上に育つ環境の方がアイデンティティを

形成するのに大きく影響すると思っている。

どれだけ能力が高くても貧しい国に生まれてしまったら、

やっぱり巡ってくるチャンスはきっと少ない。

親の背中、生きる姿勢を見て子供は育つ。

例えば親がお医者さんなら、前提としてマインドセットの

基準がすでに高いことで、その目標を自然と目指すのでは。

競争社会、ゆるい社会、どこに身を置くかで

生きるモチベーションも大きく変わる。

極論、罪を犯してしまう人も育った環境や受けた境遇で、

何かしらやむを得ない事情があったりするものだ。

絶え間なく続く戦争はどうだろう。

根底に流れるのはだれかを守るためだったり、

行き場のない感情だったりするのではと思ってしまう。

だれだって目の前で大切な人を失ってしまったら、

逆上して復讐したくもなる。

今はとてもいい時代と言えて、法やルールも整備されて

治安もよく豊かで住みやすい国で過ごしてるけど、自分が

戦争時代なんかに生まれていればきっと戦っている。

小さな争いも、大きな争いも根本となる原因があって、

それは時代の価値観であったり、育った環境であったり、

その時々に応じて人は影響を受けるものだ。

イライラしたり怒りたくなるようなことがっても、

まずはそれらを踏まえた上で、相手の根本原因を想像して

いったん考えを落ち着かせると、いかなる

物事も穏便に処理できるようになるかもしれない。

とはいえ、時に本能で感情が先走ってしまうのが人間と

いう生きもので、それが人間たらしめている業なのだ。

でも理性的であるのもまた人間。

だれもわるくないというスタンスでいるのもわるくない。

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