体験のあと

この前、息子と二人でごはんに行った。

肉が好きなので、暖簾をくぐって入るような

牛タン割烹とやらに連れて行ってみた。

普段はチェーン店で食事をすることが多いというので、

大人の雰囲気を体験するにはいい機会になる。

お店で食べる料理には、料理を通して料理以外のことを

学べる場であると思っていて、それは目に見える世界

だけではなく、料理の奥にある背景をたどれば、

環境や社会や芸術など、様々な視点での学びがある。

まさに牛肉は環境破壊を招く大きな原因になっていること、

空間作りやサービスの気配りからおもてなしの気配、

器や盛り付けから見える引き算の美学、シンプルの本質、

美味しいという単語以外での表現方法、言葉のセンス、

言えることはたくさんあった。

大人たちはこうしたことを体験を通して身につけていく

ものなので、若い子がエッセンスだけ聞いても全部を

吸収することはむずかしいけど、頭に少しでも記憶して

いることが重要で、未来の引き出しを開けるきっかけに

なると、それはこの上ない貴重な体験になるはず。

自分も若い時にもっといろんな体験をしておけば

よかったなと思うので、手遅れにならないよう

若い世代にはできる限り記憶を託しておこう。

正解のない時代なんて言われているので、

子供にいろんな体験をさせておくのは大事だけど、

体験をしてる最中の解説や、終わった後の意見交換や

フィードバックを合わせて行うと、より効果があるのでは

と感じるこちらも学びの多い夜になった。

教育とは、一方的に教えるというより、

相手の気づきに寄り添うということかもしれない。

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