もうひとつの仕事で同業者に取材をすることがある。
仕事というよりもまだまだ趣味の範囲だけど。
あらためてきちんと時間を作って互いが顔と顔を突き合わ
せて話をすることは大切だなあと思う。
何も取材だけに限らず、家族や身近な人や周りの人たちと
話をすることにも当てはまる。
まずそんな時間を取れないのが現代社会の盲点ではないか
と感じてしまう。
価値観を押し付けるのではなくて、互いの意見を交換して
認め合うことが大事で、インターネットで細部までの情報
が簡単に手に入ることにより、人それぞれ多様な価値観が
あって当たり前ということにも理解が深まってきている。
それでもどこまでいっても外側から見える情報だけでは相
手の本質を計ることはできない。
世間の評判や思い込みによる影響で、生物的にどうしても
認知バイアスはかかってしまうから。
たった数時間の会話だけでわかった気になるのもおこがま
しいけど、どれだけ回数を重ねても決まって起こる感情は、
相手のことを以前よりも好きになれるということ。
そんな風に思っていたんだ、話してみないとわからないこ
とがたくさんある。
共感や意見の相違も含めて、新しい発見や気づきがあって
おもしろい。
そこに至るには自らの心構えとして話を聞く姿勢も大切で、
相手に関心を寄せる、好奇心を持つ、など感度を高めてい
ないと大事なことにも気づけなくなってしまう。
アンテナを張っておくにもエネルギーがいるので、常に自
分の中に余白を残しておいて、いい状態にしておくメンテ
ナンスを怠ってはいけない。
それらの準備をして挑むほど、何かに情熱を傾けている人
の話には価値があると信じてやまない。