あたたかさのようなもの

あるお店が売上に悩んでいて、コンサルが入ったところ

経営が立ち直ったという話を耳にした。

それは情報を見ていて変わったのがなんとなくわかった。

コンサルティング。

体質を改善をするためのエキスパートで、頭はキレキレ、

報酬も高額、そんなイメージだ。

外の世界から客観的に物事を捉え、数字を駆使して

合理的な判断を次から次へと下していく。

そこには人情や奉仕やサービス精神といった、

人のあたたかさのようなものをあまり感じない。

そんなイメージでもある。

お店を続けていくためにはもちろん経営的な視点は大事だ

けど、商品へのこだわりや人の温度みたいなのも同じくら

い大事になってくる。

二つは相反する考え方ではないけど、トレードオフのよう

な関係になりがちなのでそのバランスはとてもむずかしい。

例えば、ひと組のお客さんにつきっきりになってしまうと、

他のお客さんに対応できなくなり回転が望めないし、回転

を重視すると接客にあたたかさが欠けてしまう。

ここに正解はないので、各店主さんがお店の在り方に

どのような価値を求めているかで変わってくる。

短期なのか長期なのか、利益なのか温度なのか、

向き不向きもあるし、いろんな要素が複雑に絡み合う。

先のお店で言えば、店主の想いやこだわりがあまり感じら

れなくなった。

いい悪いではなく何を選択するか。

自分がどの価値観を大事にしたいか。

それにお客さんが求めるものもまた千差万別。

ぼくにとってお店とは、人と人の心が交わる場所だから

あたたかさのようなものを大事にしたいと思っている。

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