出てくる言葉

先日、出張料理のご依頼があったので行ってきた。

その場所はお客様の自宅ではなく、出来たばかりのシェア

キッチンのようなスペース。

まるでお店さながらの設備でとってもやりやすかった。

いつも必ず褒めてくれるお客様、

こちらが恥ずかしくなるほど料理を絶賛してくれるので、

自信のないぼくでもすごくできる人に思えてくる。

言葉のかけ方ひとつでほんとに人の気持ちは良くも悪くも

変わるよなあとしみじみ。

ひと昔前は少々の暴言もまかり通っていた時代。

振り返ってみれば親からもあまり褒められた経験はなく、

怒られてばかりでいたことが今の自信のなさにつながって

いるのかと親のせいにする。

それなのに自分の子供には果たしてきちんと褒めてあげれ

てたかというと疑問符がつく。

料理の現場でも昔は厳しい世界が当たり前のようにあって、

暴言どころか手足が出るような今考えたらこの上なく

理不尽な時代だった。

専門学校の先生の言葉使いもたいがいひどかった。

おとしめてけなしてハングリー精神を鍛える、って

合理的なのかな。

心の傷は気づかないうちに積もっていて、

大人になった時の自尊心への影響はやっぱり大きい。

ということが今の日本で証明されてるのではないか。

現代は多様多種なハラスメントがあるように、

コンプライアンスの加減が度をすぎるようにも思うけど、

それはそれでまた問題のような気がする。

認めて、受け入れて、信頼して、愛情を持って。

本気で自分の心にその土台さえしっかり整えていれば、

出てくる言葉はコンプライアンス関係なく自然と相手に

いい形で届くのではないでしょうか。

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