たった一人の世界観

職業柄、純粋にエンターテイメントを楽しめない。

どこか食べに行くとしても、街を歩くにしても、

映画やドラマを見るにしても、SNSにしても。

飲食店で言えば、接客の質や席数や空間を見て、

お客さんが食事以外に何を求めてきているのか、

なぜそのお店を選んだのか、ついつい観察してしまう。

その他のエンターテイメントもどうやって人の心を

動かしてるんだろうと、からくりが気になってしまう。

フィクションにしろノンフィクションのしろ

人が作った物語には、作者の意図が含まれている。

ストーリーテリングと呼ばれるように、

相手の感情を誘発させるような技術は体系化されている。

喜怒哀楽の緩急がしっかり設計されている。

アメリカでは教育の一環として教わるけど、

日本では教えられる機会がないそうだ。

文章力やプレゼン力、相手に何かを上手に伝える能力は

この社会に生きてる以上、最低限のスキルだと思う。

教えられないから苦手なのはもはや仕方がない。

たくさんの人を巻き込むようなエンタメ、

ディズニーや今の韓国の勢いに見られるように、

物語の構成や、人間の行動心理の操作が

圧倒的によくできていて、ただただ感心する。

トップクリエイターが集結して莫大な予算をかける。

でも、上手に伝えることがすべてではないとも思う。

ジブリやエヴァンゲリオン、オタク文化に見られるように、

作者一人の世界観が強い引力で、

たくさんの人を魅了することもある。

極めて日本的と言えるかもしれない。

どちらがいいとか悪いとか分けて考えるのは、

ナンセンスではあるけど、個人的には後者の

偏った深い世界観に惹かれてしまう。

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