聞くを足す

人の話を聞くということ。
これは多くの人が見落としがちな社会生活をする上で大切な能力だと思う。
誰だって自分の話を聞いてほしいし、共感してほしいし、承認してほしい。
人はどれだけ群れを成そうが結局は孤独な生きものなのだ。

聞き手の方が話し手の感情をコントロールできる。
話しているのに相手が相槌もなく目も合わせていなかったら話す方も話しがいがなくなってくる。
これは男女の会話の場合、男性がよくとる行動だろう(反省)。
聞き手が前のめりで頷いて聞いてくれるほど、話してて楽しいことはない。
どう考えても相手に関心や興味を持って全力で話を聞けば、話し手は気持ちよくなること間違いないのに、なぜそうしなかったんだろう。
それほどまでに人間のエゴは強いのか。
長く一緒にいたりすると、わかったつもりになりやすく、日本独特である相手のことを察する文化も後押しする。
聞くことをあらためて体系的に学ぶと、日常の些細なことに慢心していたと気づかされる。

どれだけテクノロジーの進化でコミュニケーションの形が変わっても、人間にとって読み書きの能力は大切であるとつくづく感じている。
個人が誰でも発信できるようになったことで言葉の質が危うくなっている現状。
読むことは読解力。
物事を読み解けないことには何も始まらない。
書くことは言語化力。
そこから解釈して考え自分の意見をアウトプットする。
個人という概念が存在している限り、必須の能力だと思えてならない。
それは一朝一夕で身に付くものではなく積み重ねの先にあるもの。

この本を読んで読み書きだけでは足りないと思った。
そこに聞くことの大切さも付け加えたい。
大人になると簡単にできそうなことほど意外にむずかしかったりする。
印象に残った一文だけ引用してみよう。

「幸せな結婚とは、いつでも短すぎると感じられる長い会話のようなものである」

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