こい願わくは③

飲食店といっても様々な種類がある。
ファーストフード、チェーン店、高級レストラン、わかりやすくて数字で評価するようなグルメサイトは資本力のあるところに任せておこう。
自分にしかできなことはなんだろうと考えた。
自分自身の経験から街の小さなお店のことなら気持ちがわかる。
高くもなく安くもなく手仕事で一生懸命でお客様想いのお店たち。
そんなお店たちが暮らす街の雰囲気をつくっていることを多くの人が気づいていないのではないか。
その価値が低く見積もられすぎているのが残念な気持ちになった。
もっといいところを伝えれる可能性はある。
もっとカッコよく切り取りたい。
何も新しいことをしなくても、今ある世界の違う捉え方はいくらでもできる。
それこそが意味を足すことだという仮説を立てた。

今の時代どのお店も味にそこまで大差はなく、レシピも豊富にあり、料理は美味しくて当たり前になってきた。
ではどこで差別化するのかとなって、体験や見栄えに向かっているのが現在地なのでは。
食べているのは料理ではなく、情報という見方もできる。
その先は何が来るんだろうと考えると、結局は人だと思うし、最終的にそこに落ち着くのではという見立てがある。
料理なんてまさにAIには代替ができない人間の五感によるところが大きい。
街のお店は特に店主の人柄にお客さんがついている。
そこには即席でつくれない時間をかけてこそ培われる確固たる信頼関係がある。
信頼という資産をもっといい形で表現できないだろうか。
それが店主の人生に焦点をあてた物語を綴っていこうという動機になった。
飲食に関わる人はみんな忙しそうにしている。
思ってること考えていること、本当はもっと言いたいことがあるのではないか。
少しでもそのお手伝いができたらいいなと思った。
そしてそれこそがぼくにしかできないことだと思った。

(さらにつづく)

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