スパイス頼み

人は新しいものが好き。

刺激を欲しがる。

制約があるとより欲しくなる。

そしてそれを手に入れたら慣れてしまって、また次が欲しくなる。

満足に終わりはない。

お金にお酒に異性関係に新しいアプリに。

依存。中毒。

わかっていてもやめられないポジションにスパイスカレーがエントリーすればいいと思う。

久しぶりに人前に立ちお店を営業をした。

ワンメニューだとずいぶんやりやすい。

一人でやる分にはちょうどいいかもしれない。

だけどこれは勇気のいる選択だ。

飽きたらゲームオーバー。

一品に対して同じ味を提供し続けるということは、この店のこの味、と認知されてしまえばブランド化しやすい一方で、リピートがなかったら終わってしまう。

そう考えるとカレー屋さんやラーメン屋さんのように、専門料理に特化した飲食店はなかなかのリスクを背負っている。

その視点で見ると吉野家とかはすごい。

でも味さえ決めて人気が出れば展開・仕組み化しやすいので、その点は大きなメリットになる。

それを狙っていたのかと聞かれると、何も狙っていないと言える。

考えているようで、特に何も考えていない。

やってみてはじめてわかる発見がおもしろい。

お弁当やパスタのように全体の構成や味に変化をつけれないので誤魔化しが効かない。

発信する内容もむずかしそうだ。

今日もこれ、だから、今日はこれ、と言えない。

違う切り口でスパイスカレーを語ればいいのか。

制約があることでアイデアは生まれるのでこれもまたよしとしよう。

スパイスには中毒性がある。

辛さ、痺れ、香り。

糖質や脂質とはまた違うとても刺激的で甘美なもの。

どんな反応をもらえるのか。

スパイスは人間の本質的な欲望に根ざしている。

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