右も左も英語もわからないまま日本の裏側ロンドンへ。
なんとなくイギリスというよりロンドンの方がかっこいい。
たった一歩踏み出すだけで後はなんとかなるものだ。
ロンドンと聞いてパッと思い出せる情報は少ないけれど、さすがの観光地、見どころはけっこうたくさんあっておもしろい。
移民の街、様々な人種の人たちとすれ違う。
いい意味で他者に対して無関心で興味はなく、日本ほど周りの目を気にすることなく過ごせるのは楽でいられる。
それにスマホさえあれば、道もわかるし、電車やバスの案内もわかるし、行きたいところへ簡単に行ける。
翻訳を使うまでもなくコミュニケーションをとる機会がそんなにないということ。
さすがに人が多い。
どれくらいが現地の人で、どれくらいが観光客なのかその割合は検討がつかないけど、人種のるつぼ過ぎて世界が凝縮されていることは間違いない。
いろんな言語、いろんな匂い、いろんな主張が混ざり合っている。
同一性のない民族はルールが大雑把なことも納得がいく。
電車やバスの遅延、信号無視、美術館で落ちてるゴミをスタッフが拾わない、そんな当たり前な日常でも一日はきちんと終わりまた次の日がやってくる。
小さなことを気にしていたら自分が消耗してしまうばかり。
合意形成ができていなくても各自が責任感を持っていれば何も問題ないかもしれない。
日本人は誰かに頼りすぎで依存しているということは、一人一人が自立できていないということか。
そのことがいい悪いではなく、時と場合によってはいい方向にも悪い方向へも傾くというだけのこと。
そしてとにかくなにもかもスケールが大きい。
やっぱり何でも大きいということは人を圧倒させる。
これでもかという大きさを作るのにどれだけの人が犠牲になっているのだろう。
外側しかわからないぼくたちは、ただただすごいの一言で終わらせてはいけないような気がした。
権力とはスケールの大きさに比例するかもしれないけど、まさに上へ上へと目指していく様は西洋的な思想が多分に含まれている。
成長や進歩ばかりが善ではないと思う一方で、実際に建造物の大きさを目の当たりにして圧巻でしかなかった。
自分がちっぽけな人間に思ってしまったのはなぜだろう。
そんなことはないはずなのに。