認識の違い

常々お客様の飲食店に対する認識がどのようなものかを考えてしまう。
当然人によって違うわけで、それを踏まえたうえでどこに寄せていけば最適解なのかは未だにわからないでいる。
飲食店として見られているのか、個人店として見られているのか、お弁当屋さんとして見られているのか、パスタ屋さんとして見られているのか、一個人として見られているのか。
確かにいろいろな形態をやり過ぎていることについて責任を感じているので、なんとなく収束させていかないといけないと思い始めてきた。
全員のお客様に喜んでもらうことはできない。
何を辞めてどこに集中すれば、お客様にとっても自分にとっても最大公約数の幸せが得られるのか。

認識の違いを解決するのは不可能だと思っていて、例えば現状におけるお弁当の当日販売の難しさをお客様に説明しても本当の意味で理解してもらえない。
飲食店で働いたことがある人や自分でお店をしてる人、のような当事者意識があると理解をしてもらえる。
今日もふらっと入ってきたお客様を断るのは心苦しかった。
お弁当はすぐに買えるものという認識の人は、もう次の機会がきっとないだろう。
物理的に予約ができない人もいる、食事はその日の気分で決める人も多い。
すぐに買えるお弁当(それ以外での食品でも)は機会ロスをなくすために廃棄を見越してたくさん作ることとセットになっている。
当然、せっかく時間をかけて作ったものを廃棄にしたくない。
こんな仕事をしていて来るかどうかわからないお客様に対して準備をして待っていることに人一倍違和感を持っているようなタイプ。
それに事前の準備があってこそのお弁当なので、キッシュを一切れだけすぐには作れないのだ。
ある程度ご予約以外の分を予想をして準備しておくのは今の形態だとやっぱりとても難しい。
断るストレスとお客様の落胆を解消するには事前予約がベストなのだが、お弁当は気軽なものという認識がきっと大半を占めている。
どこの認識に寄せるのがいいのか。
そんな堂々巡りを何年もしているお盆需要が多かった夏の日の出来事。

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