好きと仕事の距離感

よく好きを仕事に、なんて言うけれど、好きを仕事にできるなんてごくごく一部の人たちだけのように思う。
そもそも自分にとって仕事にしてもいいくらい本当の好きを見つけることがむずかしい。
まずはやってみないとわからないし、好きが変わっていく可能性もある。
ひとつの仕事だけで人生を全うできる時代はほぼ確実に終わろうとしている。
歴史を見ても明らかなように社会の価値観は常に移り変わっていて、今がまさに大きな転換点にも関わらず最適解はいまだに見つかっていない。
過去の経験がまるで無駄になるような職種だってあると思う。
そんな時に仕事という枠組みよりも、好きが何かを自分でわかっていることの重要性が特に大事になってくるような気がする。
少なくとも日本は豊かでインフラも整い、セーフティネットもしっかりしていて、低コストでエンタメが楽しめ、地方で暮らせば生活コストもそんなにかからず生きていくのにはそんなに苦労せずにすみそうだ。
見栄や世間体さえ気にしなければ生きてはいける。
おいおい導入されるであろうベーシックインカムのようなシステムがあれば、人は仕事をしなくてもよくなる。

自分でお店をするようになってからは仕事という概念は大きく変わった。
起業というと大袈裟だけど、行動のすべてが自分の責任になることが会社勤めとは思考回路がまるで違うところ。
仕事をしているという感覚で仕事をしていなくて、生活の一部のような、ただ生きているだけのような。
料理そのものが好きというのでもなくて、自分のアイデアを試して行動して失敗して次に活かしてを繰り返すことが好きなんだと思う。
そんなことをずっと続けれたら理想だけど、生活をするための経済的な仕事は切っても切り離せない大事なことで、現代においては避けて通れない道。
日に日に自分の好きは明確になっていってるけど、仕事との距離感はまだまだ理想の形ではない。
でも理想は理想でしかなくて、きっとわからないものが何かわかりたくてずっと挑戦してそうな気もする。

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