本当に大切なのは料理じゃない

つくづく思っているのは、世の中にあるいろんな物事はすべて人と人が関わるためのただの装置に過ぎないということ。
それは仕事も遊びもスポーツも習い事もそうで、もっと抽象的に捉えるなら、家族や友達や恋愛も同じように言えます。
トロブリアンド諸島の原住民は隣の島に危険を冒してまでお互いに首飾りを交換するそうです。
そこに金銭的価値は生まれておらず、ただ交換するという風習が続けられています。
よく”共感”が大切だとか言われますが、その大前提にモノにしろ気持ちにしろ”交換”している行為そのものに人間の根源的な欲求としての意味があるような気がしています。

それを踏まえると身近にある仕事や家族も広義には全部コミュニティで、目標や目的があるとより一致団結する性質があります。
スポーツは特にいい例かもしれません。
人と人が何かを交換できる場や時間のあることが、人間にとっての本質的な価値なのではないでしょうか。
このことから人は一人では生きていけないことも説明できそうです。
綺麗事のようですが、誰しもにある深く根差した交換したい欲求は人間を人間たらしめている大切な部分だと思います。

自分のことに落とし込むと、こうして発信している場所があるのはお店という存在があるからで、あいだにある料理もまた人と人が関わり合うための交換の材料に過ぎません。
だからといって料理を適当に作っているのではなくて、きちんと手間をかけることで感情がのっかり、それがお客様に伝わるということです。
料理と対価の交換、実際に会って交わす言葉の交換、お互いの気持ちの交換。
たとえ一年に一回でも、たとえ一瞬の出来事だとしても、そのうたかたの交換にこそ人間の本質が垣間見えたクリスマスでした。

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