時代の流れを象徴するかのようなタイトルに思わず目を引き手にとってしまう。
選択的シングル。
自らそれを選ぶというニュアンスが多分に含まれている。
統計では実際に結婚しない人も増えているし、離婚する人も増えている。
顕著なのはドラマや映画でもそのようなコンテンツが増えているので、少なからず観ている人は無意識のうちに影響を受けていると思う。
ニュースでも不倫や浮気のネタは尽きないし盛り上がる。
男と女の揉め事はいつの時代も変わらない。
理性をどれだけ備えていても、感情や本能は時にコントロールが効かないもの。
時代や社会は常に変わっていく。
その変化の様相がどれも結婚という制度にとって不都合なものばかりになっている。
人口の変化、女性の社会における役割の変化、消費主義や都市化など。
今はまだ結婚している方が社会的信用があるし、大人として成熟しているイメージがあるけれど、そのような類いは思い込みだったりする。
メディアの擦り込み、企業の戦略、何も考えなかったらそれが幸せだと勘違いしてしまうように世の中はできている。
幸福の在り方なんてその時々の社会規範によって変わっていく。
おひとり様商品を充実させた方が消費が増えて企業は儲かるので、この先そのようなメッセージがもっと出てくることだろう。
この商品があれば一人でも気楽で幸せ、という風に。
幸せとはどの価値観を最優先するかだとするなら、これからの時代は個人の質の高い生活が望まれてるのではないかと推測する。
QOL(クオリティオブライフ)の向上。
創造性の発揮、環境保護、言論の自由、自己表現が重視されると、そこに結婚や家族が含まれない。
昔ほど夫婦や家族が互いに協力しなくても豊かになった証拠でもある。
仕事か家庭、かではなく、仕事か生活か。
性的マイノリティの問題も含め、異性の交友もこれからもっとフリーでオープンになっていくのだろう。
人間も動物、子孫繁栄のための本能はどこにいくのか。
子供を産みたい気持ちはどこまでもわからないけど、経済状況とも深く相関しているし女性がキャリアを優先するなら子供を産まないという選択肢も実際に出てきている。
産みたいけど産めない、産まないは個人の自由や意思がそれに優っているということだろう。
それに心地よい育児ができるような社会のサポートも整っていない。
むしろ社会はおひとり様を歓迎し推進していく。
いろんな矛盾を孕んではいるけど、それくらい社会規範に人間の行動は左右されている。
子供を産むという動物の本能を超えてまで、社会規範が強力であることを身にしみて感じた。
社会規範は特定のだれかが作ったものではなく、自然発生している点がまた興味深い。