アナログならではの味わい

アナログとデジタルの違いについて、最近とても腑に落ち、明快で本質的な答えに出会った。

アナログは連続的なもの、デジタルは離散的なもの。

自然界がアナログで、テクノロジーがデジタルと理解してもいいかもしれない。

0と1だけで表現するデジタルは、その間にあるものにあえて境界を引くことでわかりすいものにして、計算しやすくしている。

これはどちらが優れているということではなく、どちらかが進んでいる遅れているということでもない。

一般的にアナログは時代遅れと思われがちだけど、そもそもの人間がアナログな生きものなので、決して悪いことではなく、むしろデジタルだとそれはAIでありロボットになってしまう。

この理解ができたとき、いろんな場面でアナログにしか表現できない良さがたくさんあると思えた。

写真だと今はデジタルが主流だけど、プロの間ではフィルムカメラを愛好している人がいる。

それはデジタルでは表現できない淡いのようなものがあるからだろう。

料理においても当てはまるように思う。

レシピや動画を見ただけでは真似できない味は、温度や音や匂い、アナログな感覚で身体を使って駆使しているから。

そして自然も境界のないグラデーション。

どちらとも決めかねないその曖昧さを許容することが大切なのでは。

国境の線を引くことも、人種で違いを作ることも、対立を生む構造を作るから世界はややこしくなるのだろう。

大きな意味でもデジタル社会に向かっている今、アナログの本質を再認識したいところ。

そこにはえも言われぬ深い味わいが存在しているから。

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