演出の役割

自分が思っている期待を上回ってきた時に人は感動する。

その差分をいかに設計するかが、

サービスを提供する側の腕の見せ所。

テーマパークも、お笑いも、飲食店も、

すべてのエンターテイメントは、人を喜ばせて

幸せになってもらうことが本質でしょう。

プロフェッショナルな人たちは、

お客様の感動や喜びを引き出すために、

故意に、巧妙に、緻密に感情の動線を仕掛けているから、

無意識化のうちに気持ちが引き込まれていく。

結局、人の行動にはパターンがあるし、

おおよそ喜ぶポイントはみんな共通している。

ストーリーテリングというか、演出というか、

その作為が垣間見えると、上手だなあと感心する。

このことは伝えるという分野にあたるのだろう。

作ったものを、お客様に届けるまでの役割。

いくらいいものを作っても、伝わらなかったら意味がない。

個人的な見解では、いいものでなくても

伝え方や届け方さえ上手であれば、

いいものだと思い込ませることもできる。

大きな視点で見ると、ファッションやグルメなどの流行は、

一部の人たちが作為的に演出したものだし、

ライフスタイルの提案も誰かの都合のいいように、

作られたものに過ぎない。

人は何かしら無意識のうちに周りの物事から、

影響を受けて思考が形成されていく。

思い込みや執着心が強いほど、

違う世界観と交わりにくくなってしまうので、

できるだけ概念はフリーにしておきたい。

演出を考えるにしても、

利益ばかりを目的とした扇動をするのではなくて、

できればお客様の心が動くようなものの方がいい。

作り手とお客様をつなぐための魅せ方、演出は

見落としがちだけど重要な役割だと思った。

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