パブリックイメージと予約制

お弁当が予約制じゃなかったら。

そんなお客様の声を何度聞いたことだろう。

お弁当は料理のジャンルの中でもすでに出来上がっているもの、手軽さや便利さが売りのポジションにいる。

どこか大衆が描くぼんやりとしたイメージには過ぎないけど、そのイメージを覆すのは本当にむずかしい。

社会の中で合意形成されたパブリックイメージたるもの、思い込みや常識というのはいい面も悪い面も備わっている。

予約制ではないオープンなスタイルでの営業がどうしてもできなかった。

どうしてもロスが出ることや、事前準備の大変さ、もし余った時に自分が作った料理を捨てるなんてことは絶対にしたくなかった。

ではなぜお弁当をしたのかという問いが生まれてしまうけど、そんなことを理解してお店を始めれるほど優秀な人間ではない。

まずは始めてみて、できることを積み重ねていった結果に、発見や学びが見つかっていく。

きっとそんな感情を動かしたプロセスこそが、人生の豊かさや充足感につながっていく。

お客様が求めること、自分がやりたいこと、その二軸の相反はどんなビジネスでも葛藤があるのだと思う。

結局は環境設定が重要だということがよくわかった。

時代や場所、何料理をするか、お客様のニーズを満たすもの。

そこには運要素も絡んでくる。

いろんな学びを得てきて、個人の感情は二の次、市場予測やマーケット感覚の長けている方がうまくいくのだと思った。

かといって感情を押し殺してしまっては存在の意味がなくなるので、環境設定とのちょうどいいバランスを見つけることができたらもっとよくなる。

まだアイデアはないけれど経験をしてみて少しは賢くなったはず。

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