なぜやるのか

ものが溢れ、どの商品も品質や機能に差がなくなってきて、

選択する基準が随分と変わってきた。

インターネットによって情報が透明化しつつあって、すぐ

に他と比べることができるし、ごまかしもきかない。

見栄えやインフルエンサーの影響力がどこまで通用するの

だろう、消費者も賢くなってきている。

ではどこで差をつけていくのか。

ブランディングや独自の世界観を作ることは欠かせない。

世界的にいろんなところで企業がサステイナブルや環境を

意識した取り組みがされていて、ものを選ぶ際の前提条件

になりつつある。

なぜその取り組みをやるのか。

存在意義、社会正義、大義名分というか目指している方向

性を、消費者にわかりやすく提示する必要性がある。

なぜやるのか、誰に届けたいのか、を明確にすることは時

代と関係なく普遍的に大事なこと。

なぜお店をしているのか。

なんのために、誰のために、と周りのお店の人に理詰めで

聞いていけばなんとなく嫌われそうだ。

それくらい言語化をするとなると意外とむずかしい。

それは軸であり信念の部分。

お店をしていなくても、なぜ生きているのか、なぜ仕事を

するのか、それらの問いに自分だけの答えが見つけられた

らすごく強いと思う。

ではなぜMEEKというお店をするのか。

はじめのコンセプトは、公園でお弁当を食べてほしい、

忙しい社会になってきたからこそ公園でゆっくり過ごして

ほしいという気持ちでお店を作った。

やってみてわかったことは、いい意味でそのコンセプトが

薄っぺらいものだったということ。

もっと深く考えてみると、新しい価値を提案したいという

ことでもあるし、自分にしかできないことを発信したいと

いう気持ちが奥の方にあることに気づけた。

だから何料理であるかは重要でない事になる。

自分が提案する価値を、お客様に楽しんでもらうことが

本質的な存在意義。

そこを理解して応援してくれているお客様の存在も心強い

原動力になっているのです。

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