体で覚え、心で作る

歌手とかダンサーとか見ていて、よく歌詞とかダンスを全

部覚えていられるなあと感心する。

恐ろしいほどの練習量なのもわかるけど、量をこなしたと

ころで個人差もきっとあると思う。

周りの環境も大きい、グループなら足を引っ張ってはいけ

ないとさらに努力を重ねる。

それ以外の理由でどうして覚えれるのかと考えてみた。

きっと体が覚えている、覚えさすというか。

言葉で説明するのが難しいけど、自転車を乗るように、車

の運転をするように、無意識にできる域まで身体に染み込

ませる感覚なんだと思った。

これは練習量の問題とまた違うような気がする特別な能力。

翻って鑑みると、料理をはじめ職人的な仕事をしている人

は、ある程度共通している能力なのではないか。

包丁の動かし方や塩のふり方、火の入れ方や味の塩梅、無

意識にできていることを誰かに言葉で説明することが難し

かったりする。

事実、レシピ本を作るときは本当に大変だった。

体で覚えるのは時間をかければなんとかなりそうだけど、

さらにそれ以上のものを作ろうと思うなら心を込めること

が大事だと思う。

これこそ抽象的だけど、歌もダンスも料理もクリエイター

の心の状態がよくないと作品に影響を与える。

本当のプロフェッショナルはメンタルトレーニングをして

いるだろうし、真剣さや本気度は数値化できないものだけ

ど、その量次第で相手への届き方は変わってくるはず。

からだで覚えることができても、本気で心を込めることが

とてもむずかしい。

できると言える日が来るのだろうか、いやきっとそんな日

は永遠に来ない。

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