昨日は久しぶりに取材のお仕事だった。
今まで人の話をきちんと聞くなんて意識をしたことがなかったけど、前向きに耳を傾けてみるとけっこうおもしろい。
話のテーマがお店を作るに至った経緯や、店主さんの人柄や人生がぎゅっとつまった内容だから特におもしろい。
飲食店の人はだいたいが忙しそうにしている。
休みの日も買いものに行き、準備をして営業中も時間との戦い。
あっという間に一日が終わり、あっという間に一年が過ぎていく。
そんな中でしっかり時間をとって取材をさせてもらう。
こちらとしても貴重な時間だということを身に沁みて感じているので、それはもう濃い時間になる。
誰かの人生をたった数時間で理解しようなんておこがましいけど、わかりたいと思う姿勢を見せることで相手も心を開いてくれる。
普段の生活で自分のことに関心をもって、じっくり話を聞いてくれる人はそうそういないはず。
人生を振り返り、その時の気持ちを思い出し、頭の中が整理される。
手前味噌だけど話をしっかり聞くだけで、けっこういいことをしてると思っている。
その効能は相手も気づいていないところで、本当のところは役に立っていると自負している。
飲食に限らず、どんな人も、忙しくなった現代社会において人生を振り返る時間なんてほとんどないだろう。
考えたり思ってるだけではだめで、話すことや書くことといった、自分の外に言葉を出すことが重要なのだ。
そうすることで自分から言葉が離れ、自分を客観視できるようになる。
いったん余白をつくり自分と向き合う時間は、とても大事なこと。
取材を終えて、振り返れてよかった、とか、整理できてよかった、など言ってもらえるとうれしい。
そして何よりも話を聞いてる方こそ大きな学びになっている。