SNSを使い始めて10年くらいでしょうか。
LINEもSNSに含まれるけど、はじめはフェイスブックがやっぱり新鮮だった。
自ら発信してプライベートを知り合いに見てもらうなんていう発想が当時は斬新だったように思う。
どこに行ってきたかがわかるし、どんな生活をしてるかもわかる。
自分のことを評価してくれる人が圧倒的に増えたわけだ。
人間が根源的に持っている承認欲求をうまく表層化したシステムが革新的で、スマホとの相性が抜群によかった。
そもそも洋服を着るのも自己満足だけではなく他者からどう見られるかの判断が含まれている。
SNSもそれと同じで個性の表現を着飾るものとして、もはやアイデンティティの一部になっている。
数値化されることによって数字にばかり気を取られてしまうのは、表現の本質でないような気はしている。
優しさや思いやりといった項目は数字には表せないから。
そんな危険性もありながら、つながりの拡散性という意味においてSNSがもたらした恩恵はとても大きい。
事実、お店の認知度は写真と相性のいいインスタグラムのおかげで早く広まった。
初めて間もないお店をフォローしてくれた数十人のお客様はとても印象に残っているし、今でも見てくれているのはほんとにありがたいなあと思う。
タグ付けやハッシュタグ機能も拡散するきっかけになったし、何より承認されている感覚は気持ちを高揚させた。
でも次に気になってくるのは他店と数字の比較。
数字で上下関係を評価されているようで、違うとわかっていても引っ張られてしまうのが人間の弱いところ。
このままライフスタイルのSNS化が進めば人々は数字でしか判断しないようになるのか。
みんなの尺度ではなく自分の尺度で物を見ないと個性すら失われていく。
数値化できない感情の部分こそが人間らしさの本質であるはず。
どんな物事もいいところ悪いところがセットになっているものだ。