レトロアクティブという考え方

お店をオープンした頃からずっと応援してくれているお客様には特別な感情がわいてきます。
おそらくどんな商売でも日々営業していたらお客様は入れ替わっていくものです。
常連様だけでやっていくのは難しく、その常連様でさえ引っ越しや転勤などの理由でやむなく来れなくなるケースがあるので、まさに水商売、流れるようにお客様も循環していきます。
よく利用していたかと思えば急に来なくなったり、あんなに褒めてくれたのに急に来なくなったり、世の理は諸行無常です。
そんな中で、細く長くご利用いただいてるお客様がいることはとても貴重な存在でありがたいことです。

SNSの動きも似たようなものを感じます。
フォロワーさんは減ったり増えたり、”いいね”を押したり押さなかったり、常に一定ではない動きを見せてくれます。
自ら発信をせずに情報を見るだけにSNSを使っている人がほとんどでしょう。
インターネット内で主体的な行動をとる人は全体の1割にも満たないと言われています。
そんな中でも、初期の頃からフォローしてくださっている方や、いつも欠かさずに”いいね”を押してくれる方がいることは、とてもうれしいことです。
どんな人が前向きな行動をとってくれているかは、いつもちゃんと見ているのでだいたい把握できています。
よく目にするアカウントは接触回数が多いので自然と覚えてしまうものです。

ご利用や来店にせよ”いいね”を押すにせよ、基本的にはその瞬間にしかとれない行動であって、後からはできないことです。
お店側の現在地から見て、どのお客様により感謝しているかと言えば、過去にそういった主体的な行動をとってくれた人に気持ちはどうしても傾きます。
公平な社会を目指すべきとはいえ、昔から応援してくれている人や小さな行動で貢献してくれている人に感謝が生まれるのが人間の情ってものです。
レトロアクティブとは、過去にとった行動に効力が生まれる、と意味です。
人の行動がよりデータ化されていく時代において、今現在いい行動をするにこしたことはありません。
主体的な行動をとれる人だけが後で得をするような気がしています。

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