料理人のセカンドキャリア

職業によっては最前線で活躍できる時期が限られていたりします。
わかりやすいのはスポーツ選手で、基本的に年齢と共に体力は落ちていくため早めの引退を余儀なくされます。
その後の仕事といえば教育者になったり、解説者になったりするのが一般的でしょうか。
料理に携わっている人のセカンドキャリアとはなんでしょう。
中には高齢で現役をやっている人もいますが、料理も体力勝負なところがあるのでみんながみんな継続できるとは思えません。
みなさんがどのような末路を辿っているのか、どのように将来を考えているか気にしたことがなかったので、急に興味深いテーマが立ち上がってきました。
一般的に現役時代は先頭に立ってブランドを作り、スタッフを育成しながら店舗展開やマネジメントに関わっていくという流れだと思います。
でもそれでお店が順調にいくのはごくごく稀な気がしています。
新しいお店がどんどん増えていく中で生き残ろうと思えば、美味しさだけでなく戦略的な仕掛けも大事になってきます。
これからの時代を考える上で、単純に日本の人口は減っていきますし、飲食業界の人手不足も社会問題ですし、消費者の外食離れも顕著ですし、当事者でありながらあまり明るい未来は想像できません。
そんな中でも環境に適応していくのが生命の原則なように、有利なお店の戦い方だなと思うのは例えばオーナーシェフがワンオペで高単価な営業スタイルとか、観光地でインバウンドのお客様を狙った作戦とかでしょうか。
時代に適合したやり方があるとはいえ、やっぱり体力の問題は避けられないので、いかに仕組みを作るかがセカンドキャリアにおいて重要だと思います。
料理はその人にしか出せない味があるので悩ましい問題です。
そんなことを考えないといけないお年頃なのです。

関連記事

  1. 機能から意味へ

  2. 仕事と趣味と楽しみと

  3. 老いの受容とアンチエイジングのバランス(質問回答編#3)

  4. 技術より愛

  5. おもてなしとサービス

  6. おでんをめぐる考察