文化の違い

フランスで修行をしたシェフにお話を聞く機会がありました。
フランスでは料理人の社会的地位が高いと言われています。
連綿と受け継がれた食文化もさることながら、国がお店を簡単に作らせていないことがとても興味深かったです。
たとえ空き店舗があったとしても前のお店が飲食店でなければ入れなかったりするのは、街や建物の景観を守るためだとか。
時間的価値である歴史に重きをおいてる国の姿勢は美意識を感じさせます。
よって単純に飲食店の数が少ないから希少価値が上がるということ。
個人的にお店を出すハードルが高い施策にはとても賛成です。
日本は比較的だれでもお金さえあれば簡単にお店を始めれます。
お店の数が多い→競争力が高まる→価格合戦→廃業率も高まるという構図になっていて、得をするのはデザインまわりや内装業者といったオープン時に関わった人たちで、あまり健全な市場だとは言えません。
自由でカッコよく見えてしまうお店の裏には考えるべき深い問題が潜んでいます。
日本という国が文化的価値より経済成長を優先している証拠でしょう。

あと驚いたのはフランスの有名レストランにはほぼ日本人のシェフがいるらしいです。
それは日本人の特性であるハイクオリティな仕事の技術に需要があるということで、お客様も日本人シェフがいることがある種お店選びの指標になっているのだとか。
それくらい日本人の技術力の高さが評価されているのは明るい希望を感じます。
さらに驚いたのが、星付きのレストランでも美味しくないお店がけっこう多いそうで、おもてなしの意識も低いみたいです。
日本人の相手を慮るホスピタリティの質はやっぱり世界でもトップレベルなんだと思いました。
でもせっかくの技術をうまく活かせずに消耗している気がするのでこれもまた深い問題です。

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