話すことってなかなかに技術のいることだと思う。
頭の中の考えを言語化するということは、感情を言葉という入れものに当てはめて外に出す作業の連続だ。
まずは言葉の意味を知ってないといけないし、その上で的確に選択しないといけない。
書くことはやり直しがきくけど、話す方はやり直しがきかない。
一度出てしまった言葉はもう帰ってこない。
ゆえに躊躇うし、考え込んでしまう。
感情は喜怒哀楽だけでなく、他にもいろんな要素が混じり合ってできている。
人間関係から身体のメカニズムからお天気の状態まで。
そんな複雑性を帯びた感情を、簡単な言葉で表現することはむずかしい。
言葉はあくまでも意味を含むただの道具なので、感情を表す分には限界があると思う。
どの言葉にも当てはまらない感情、生まれてはじめて抱いた感情、相手には同じようには伝わらないであろう感情。
そんなモヤモヤはまたすぐに答えを出してくれない。
きっと語彙力も大事だろう。
語彙力は選択肢を広げてくれる。
それでも、たとえ断片的でも、感情を言葉にして外に出すことで自分と対峙できると思う。
耳を傾けてくれる人が一人でも身近な距離にいるならば。